2012/02/02

ジョゼップ・プラ賞2012 (& 2011)

 ナダル賞と同時発表のカタルーニャ語小説の賞です。

44 Premi Josep Pla de prosa en lengua catalana
Rafel Nadal: Quan érem feliços
 受賞者ラフェル・ナダル。この名字のおかげで(第一報はナダル賞と同じ記事に載る)、まぎらわしかったんですよ! ……そんなことはどうでもいいんですが。
 カタルーニャ語のRafel はカスティーリャ語ではRafael ですから、あのテニスのラファエル・ナダルと名字一つだけだと同じでこれもまぎらわしい。テニス選手の方はRafael Nadal Parera(1986-)、今回の受賞者はRafael Nadal i Farreras 、1954年ジローナ生まれのジャーナリストです。ジローナでの幼少期を振りかえる自伝的小説で、内戦後のカタルーニャに暮らす12人兄弟の家族を子供の視点から描いた話とか。

  *   *   *   *   *

 昨年、結局下書きのまま(作品紹介を後で書き足すつもりで)放置してしまったので、2011年分データを下にコピーしておきます。

43 Premi Josep Pla de prosa en lengua catalana
Cristian Segura: El cau del conill
 クリスティアン・セグーラ、1978年バルセローナ生まれ。ジャーナリストで、受賞作が小説デビューになります。  ブルジョアを皮肉な筆致で描いた作品、一年経った今では、日本語の作品紹介も出ていますので、こちら↓でどうぞ。

 ★ El cau de conill  ウサギ穴

◇ 2010年ジョゼップ・プラ賞
◇ 2009年ジョゼップ・プラ賞
◇ 2007年ジョゼップ・プラ賞
◇ 2006年ジョゼップ・プラ賞
◇ 2005年ジョゼップ・プラ賞

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2012/01/12

ナダル賞2012

 新年のご挨拶を書きそびれました。前記事から半年経って年が明けてしまいましたが、ようやく仕切り直しです。よろしくお願いします。

 一年の途中で更新できなくなっても最初のこれだけは、というナダル賞の結果。


ナダル賞 Premio Nadal

Álvaro Pombo : 'El temblor del héroe'

 ジョゼップ・プラ賞は別記事に。というか、昨年アリシア・ヒメーネス・バルトレット受賞のときに67回とあったはずなのに、なぜか今年の記事は69回になってる……??? (後で数え直してみます)
 
 第一報の写真を見るとナダル賞のトロフィーを手にしみじみと嬉しそう~な顔をしているアルバロ・ポンボが。そうかそうか嬉しかったんだねおめでとう、と微笑ましくなる写真です(大作家をつかまえて何を)。アルバロ・ポンボ本人のプロフィールは、プラネータ賞を獲ったとき(2006)にちょっと書いたのでそちらで。

 受賞作はEl temblor del héroe、大学を退官したばかりの哲学教授が主人公。2月2日発売だそうですが、タイトルの示すようにアンチヒーロー的な感じですね。知識層の無関心・受動的な態度の問題を扱っているようです。

◆リンク: Pombo gana el Nadal con una crítica a la insensibilidad de hoy.(EL PAÍS)
ナダル賞2011
ナダル賞2010
ナダル賞2009
ナダル賞2008
ナダル賞2007
ナダル賞2006
ナダル賞2005
ナダル賞2004

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2011/06/17

【震災】 ご心配おかけしました

早いもので、あの震災から百日になろうとしています。

多くの方にお見舞いや励ましの言葉をいただき、ありがとうございました。
また、被災地で働いてくださった(今も働いてくださっている)多くの方々にも大変御世話になり、感謝しております。

今までずっと、ここも、もうひとつのブログも、更新することができませんでした。

三月中は、電気もなく電話回線も使えない状態だったのですが、
その後はあまり個人的なことを出さないようにしてきたここに、どこまで書いていいものか、迷っていました。

幸い家族は無事でしたが、津波で一週間近く浸水したまま、電話も携帯電話も通じず、孤立状態が続きました。
当初は、とりあえず生き延びるため、水や食料、灯油の確保に必死でした。
ライフラインが復旧してからは、事務所の復旧作業が最優先に。

何度かここにも生存表明だけでも書かなくては、と思いながら今日になってしまいました。

また、少しずつ更新を再開していこうと思います。

事務所の復旧状況は、会社のブログに少し書きましたので、もしよろしかったらそちらを見ていただければ幸いです。

☆ スペイン書房ブログ: 通常営業再開のお知らせ(2011/06/08)

津波で在庫の大部分、備品・設備、車両等を失いましたが、通信・運送関係が復旧してからまた頑張って仕入れています。機会がありましたらネットショップにもお立ち寄りください。

(もう少し個人的なことは、自分の中で少し整理が付いたらもうひとつの個人用ブログに書かせていただくつもりです。少し時間がかかるかもしれません)

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2011/02/28

プリマベーラ賞2011

 地域によっては数日前に春一番が吹いたというニュースもありましたが、こちらも名前(だけ)は春のプリマベーラ賞です。2月24日発表。

Premio Primavera de Novela 2011 (XV edición)
Raúl del Pozo: El reclamo.
finalista - Alejandro Palomas: El alma del mundo.

 エスパサ=カルペ社主催のこの賞、後発とはいえ15周年という区切りで盛り上げたい意気込みだった模様。

 ラウル・デル・ポソは1936年クエンカのマリアナ生まれ。地方紙"Diario de Cuenca"で新聞記者として仕事を始め、いくつかの新聞・雑誌で働いた後全国紙"EL MUNDO"のコラムニストに。ジャーナリズム関係の賞もいくつか獲っています。小説デビューは'Noche de tahúres'(1994)。

 受賞作の内容は、マキ(ゲリラ)が南米パラナー河畔に亡命する話ということで、ナダル賞といい、今年はmaquis の流行でもあるんでしょうか(違)。作家本人は「これは内戦についての小説ではない。内戦はうんざりだ」と語っています。
 
 次席のアレハンドロ・パロマスは1967年バルセロナ生まれ。英文学を専攻しアメリカ(合衆国)で修士をとって、英語の小説を翻訳しています。作品は4人の登場人物の対話からそれぞれの過去が浮かび上がってくるような話。

 ちなみにプリマベーラ賞の審査委員長は、先日セルバンテス賞を受賞したアナ・マリア・マトゥーテです。

◆ Raúl del Pozo gana el Premio Primavera de novela (El País)

◇ 2010年プリマベーラ賞 
◇ 2009年プリマベーラ賞 
◇ 2008年プリマベーラ賞 
◇ 2007年プリマベーラ賞(含2006年データ)
◇ 2005年プリマベーラ賞
◇ 2004年プリマベーラ賞

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2011/02/19

ブレーベ叢書賞2011

 10日あまり遅れましたが、2月7日発表のビブリオテカ・ブレーベです。
 

premio Biblioteca Breve 2011

Elena Poniatowska : Leonora

 メキシコを代表する大物女流作家、満を持しての登場です。

 エレーナ・ポニアトウスカは1932年パリ生まれ。東欧風の名字の由来は、父親が最後のポーランド国王スタニスワフ・アウグスト・ポニャトフスキの子孫だったことから(父親は”プリンス”の称号持ちだとか)。
 受賞歴のリストも大小合わせるとかなり長くなりますが、2001年アルファグアラ賞(受賞作:La piel del cielo)、2007年ロムロ・カジェゴス賞(El tren pasa primero)など。
 邦訳は、ノンフィクション『トラテロルコの夜―メキシコの1968年』(La noche de Tlatelolco, 1971)が2005年に出ています。メキシコオリンピック直前に起きたトラテロルコの虐殺については、ここで書き始めると長くなるのでいずれ改めて。昨今の世界の状況を見るにつけ、忘れ去ってはいけない事件だと感じます。

 受賞作はレオノーラ・キャリントンをモデルにした小説。イギリス生まれ、メキシコ在住のシュールレアリスト。画家ですが、作家として小説など文筆活動も。94歳でまだ存命だということに驚きました。

 ちなみに今年の応募作の傾向として、20世紀の実在の人物を描いた作品が目立ったとのこと。確かに、今回の本賞に限らずここ数年の他の文学賞でもよく見るような気がします。ラテンアメリカからの応募作は麻薬問題も。

◆ リンク: Elena Poniatowska, premio Biblioteca Breve(El País).

◇ 2010年ブレーベ叢書賞
◇ 2009年ブレーベ叢書賞
◇ 2008年ブレーベ叢書賞
◇ 2007年ブレーベ叢書賞
◇ 2006年ブレーベ叢書賞
◇ 2005年ブレーべ叢書賞

◎ ブレーベ叢書賞受賞作品

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2011/01/08

ナダル賞2011

 お待たせしました(誰も待ってない)、ナダル賞発表(1月6日夜)です。
 今年はちょっと複雑な気分も。

第67回ナダル賞 /67ª edición del Premio Nadal
Alicia Giménez Bartlett : 'Donde nadie te encuentre'

 今年も次席の発表はありません。ジョゼップ・プラ賞は別項で取り上げます。
 
 受賞者は……出ました、”スペインのパトリシア・コーンウェル”。《ペトラ・デリカード》シリーズでおなじみのアリシア・ヒメーネス・バルトレットです。1951年アルバセーテのアルマンサ生まれ。

 受賞作はTeresa Pla Meseguer という実在の人物の生涯に基づいた歴史小説。えー、この人はですね……日本語ではたぶん(ネット上)情報が他に出ていないですよね? マキ(maquis)、つまり反フランコのゲリラで、"La Pastora"の通称でマエストラスゴ山中で活動していたんですが、おそらく男性偽半陰陽ではなかったかと言われています。生まれたときはテレサと付けられたものの、後に男装になってからはフロレンシオと名乗ったと。
 というわけで、デビュー作なども考え合わせると、作家にとって非常に興味深いモチーフであっただろうことは想像に難くないのです。(いや、敢えて話題性を狙ったという解釈もありですが……)
(アリシア・ヒメーネス・バルトレットについては、語りたいことが山のようにあるんですが、他の媒体でも取り上げたいと思っているのでいずれそのうちに……(^^;)

◆リンク: Una historia de maquis gana el Nadal.(EL PAÍS)
↑エル・パイス紙、見出しの付け方がマンネリです(お前に言われたくないだろう>私)。

ナダル賞2010
ナダル賞2009
ナダル賞2008
ナダル賞2007
ナダル賞2006
ナダル賞2005
ナダル賞2004

ナダル賞受賞作品

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2011/01/06

ラサリーリョ賞2010

 検索でラサリーリョ賞やプラネータ賞を探して来られる方が多いので、公現祭前に更新しておきたいと思いまして、昨年末に作っていた下書きの山から発掘してきました。……が受賞者経歴を調べていたら一つで力尽きました(^^;

 Organización Española para el Libro Infantil y Juvenil (OEPLI)(スペイン児童・ジュブナイル文学協会)主催のラサリーリョ賞。12月12日受賞式でしたが、発表は11月26日です。

 ☆文芸部門 Premio Lazarillo de Creación Literaria:
     Pilar Lozano y Alejandro Rodríguez: Marco Polo no fue solo
 ☆絵本部門 Premio Lazarillo de Álbum Ilustrado:
     Lluïstot : El sueño del viejo marinero
     Enrique Flores: Parchís

 絵本部門は2作品同時受賞となりました。

 文芸部門、ピラール・ロサーノ・カルバーヨ(Pilar Lozano Carbayo)は1953年ベナベンテ生まれ。マスコミ関係(経済誌・専門誌など)の仕事のかたわら児童文学を書き、2005年にバルコ・デ・バポール賞、2008年にはエデベ児童文学賞を受賞しています。(ちなみに現職は鉄道雑誌の編集長だとか……)共作者として名前を連ねるアレハンドロ・ロドリゲスは息子さん(31歳)だそう。受賞作はマルコ・ポーロの船に偶然男の子と女の子が乗って……という冒険物。

◆ Premios Lazarillo 2010(Revista Babar)

 前回は2007,2008年データのリンクを貼っていたんですが、oepliのサイトにあったページがなくなってしまったようで残念ながらリンク切れに。
 ラサリーリョ賞の歴史的経緯については、今までいろいろ読んできた中でもこの記事が詳しく、よくまとまっていると思いました。1958年INLE(nstituto Nacional del Libro Español)主催で始まり、1986年からは文化教育省の後援でOEPLIに主催団体が移っています。

2009年のラサリーリョ賞
2006年のラサリーリョ賞
2005年のラサリーリョ賞

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2011/01/02

FELIZ AÑO NUEVO2011

明けましておめでとうございます。

 毎年1月は決意も新たに更新に努めるのですが、仕事が立て込んでくると更新がストップする、というパターンを繰りかえしています(泣)。昨年は特に酷かったですね。過去は振り返らずに生きていこうと思います。ただし文学賞の過去データはできるだけ拾うように心がけます(年末にエラルデ賞の記事を書いた後、下書きに放りこんだままの記事がごっそりと)。

 年末の話題として、クリスマスシーズンのベストセラーリストが出ていました。集計期間が記載されていない記事ですが(^^; アルゼンチンとコロンビアではウンベルト・エーコとバルガス・リョサが1位2位を分けている状態、スペインは間にプラネータ賞のエドゥアルド・メンドーサ(とケン・フォレット)が飛び込んだ格好。メキシコはバルガス・リョサが1位でも2位以下は独自路線のようですが、ソースにもよるでしょうね(Gandhi書店、DFにいた頃はよく行きました)。ノンフィクション部門のほうが国によって分かれておもしろいかも。スペインのCasa del Libro ではアカデミアの正書法が1位だったりとか。

◆ Eco, Vargas Llosa y Follet se disputan los primeros puestos de ventas

 こんな不定期更新かつ超マイナーな話しか書かないブログにお越しいただき、ありがとうございます。今年も良い本との出会いがありますように。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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2010/12/18

エラルデ賞2010

 古い話題でもせっせと書かないと、今年が終わってしまう(焦)。

 11月に発表されたエラルデ賞。アナグラマ社主催の小説賞です。

Tres_ataudes

XXVIII Premio Herralde de Novela
Antonio Ungar:Tres ataúdes blancos.

 今年は次席の発表はなかったようです。
 アントニオ・ウンガルは1974年ボゴタ生まれのコロンビア人。短篇集や小説をいくつか出しています。

 受賞作は架空の国「ミランダ」を舞台にした話ですが、どこかコロンビア、ベネズエラ、ペルー、ボリビアを思わせるようなところがあるということです。インターネットで世間とつながっているだけだった男が、間違って野党の政治リーダーに代わることになる、という話。悲劇的な状況も笑いにしてしまう、コロンビア的なブラックユーモアの作品だそう。

◆ El colombiano Antonio Ungar gana el Herralde con una sátira feroz sobre Latinoamérica (EL PAÍS)
 
 昨年は書かなかったので2009年データ。

XXVII Premio Herralde de Novela (2009)
 Manuel Gutiérrez Aragón (España, 1942): La vida antes de marzo
Finalista : Juan Francisco Ferré: Providence

 マヌエル・グティエレス・アラゴンといえば映画監督(『天国の半分』La mitad del cielo など)ですね。『ドン・キホーテ』のテレビシリーズなども手がけています。

エラルデ賞2008
エラルデ賞2007
エラルデ賞2006
エラルデ賞2005
エラルデ賞2004

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2010/12/17

レアル・アカデミア新会長は?

 Real Academia Española の会長選挙が行われ、新会長にJosé Manuel Blecua が決まったというニュース。

 ホセ・マヌエル・ブレクアは1939年サラゴサ生まれ、文献学者。2006年にアカデミア会員になりましたが、12月16日、多数決で会長に選ばれました。前任のVíctor García de la Concha は12年も会長を務めていたんですね。何年毎に改選する規則なんでしょうか。177620

 そして、これからもラテンアメリカ各国のアカデミアと協力していく方針を明らかにしました。アカデミアの辞書(DRAE)、スペイン語文法アメリカニスモの辞書、先日発表された正書法など、この流れは変わらないですね。

◆ El filólogo José Manuel Blecua, nuevo director de la RAE (El País)

 しかし、こりゃないだろうと思ったのは、エル・パイス紙の記事、ホセ・マヌエル・ブレクアのプロフィールを1913年 Alcolea de Cinca生まれとしていることですよ……実はこの人の父親(故人)も同名で文献学者・文法学者なので、そちらと取り違えられてしまったんですねー。生きていたら97歳ですよ。新聞社がいつ間違いに気付いて訂正するかと(笑)。
 ちなみに父親はJosé Manuel Blecua Teijeiro、息子(RAE会長)はJosé Manuel Blecua Perdicesです。

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